日歯、歯科医師の検体採取について見解 医療崩壊防止に向けPCR 検査体制に協力

 日本歯科医師会は4 月27 日、厚生労働省が通知予定の「新型コロナウイルス感染症に関するPCR検査のための鼻腔・咽頭拭い液の採取の歯科医師による実施」について、現時点で確認できている事項を整理し、日本歯科医師会の考え方をとりまとめた。
 本件について、日本歯科医師会で厚生労働省からの打診を受けて日本医師会とも連携をとりながら対応。日歯も参加した4月26日開催の厚生労働省の有識者会議で概ねの合意がなされたという。
 現時点で確認できている事項と、日本歯科医師会の考え方は次の通り。

◆現時点で確認できている事項
①PCR 検査の需要が増大していることから、検査体制強化のため、口腔領域に知見を有する歯科医師に協力を促している。
②ただし、決してすべての歯科医師に対して、協力を強制的に求めるものではない。
③現行法では歯科医業の範疇を超えている本業務について、違法性を阻却する要件を定め、特例的・時限的に歯科医師による検体採取を認めるものである。
④その主たる要件は、「感染が拡大し、歯科医師による検体検査を認めなければ医療提供が困難になるという状況であること」と「安全性を担保した上で検体採取が実施されるために、実施者が必要な教育・研修を受けていること」である。
⑤検体採取の場所は、地域医師会等が運営するPCR 検査センターとされている。
⑥研修の内容や実施体制、患者の同意をとる方法などについては、厚生労働省で検討中である。

◆現時点における日本歯科医師会の考え方
①国難ともいえる現況に鑑み、医療崩壊を防止するために、歯科医師会として何らかの協力をすることはやぶさかでない。
②本件は、多くの医師や看護師が軽症者の治療や管理等に専従できるようサポートするもので、ひいては重症者に対する医療体制を守ることにつながるものと考える。
③PCR 検査体制の増強にあたり、歯科医師の参画がどうしても必要な状況であれば、日本医師会の了解および地域医師会の要請の下に協力する。
④研修については厚生労働省が主体となり、学会等の協力の下に教材製作および実施体制を整備する。日本歯科医師会もE ラーニング研修実施等の協力にあたる。なお、手技の実習等については、現場での対応も想定される。
⑤ワークフロー、防御服の確保等の感染防御体制、研修、費用弁償などの概要が分かり次第、都道府県歯科医師会へ改めて通知する。
⑥実際には、病院歯科・口腔外科の歯科医師や、歯科麻酔医等が主たる対象となるのではないか。
⑦それ以外の、歯科医師会会員の協力については、地域における医師会と歯科医師会、地域行政等との連携に基づく対応となる。

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