日常的な抜歯でも致死リスクに注意を

 日本法歯科医学会が7月15日、東京・市ヶ谷の歯科医師会館大会議室で、第6回学術大会および第5回総会を開催した。
 川島渉氏(奈良県立医科大学法医学講座)は「抜歯後に形成された頸部の血腫により窒息をきたし死亡した1例」を発表。74歳の男性が抜歯の10時間後に意識を消失し、7日後に死亡した事例で、抜歯後出血により形成された血腫により気道閉塞をおこし、低酸素脳症によって死亡したと判断された。
 川島氏は「高齢者の場合、歯槽骨と歯根の癒着により、抜歯時に歯槽骨が破損する危険性が高い。特に肝硬変など出血性素因があると致死的な経過をたどる可能性がある。この事例から、抜歯後半日以内は経過観察が必要」との考えを示した。
日本法歯科医学会のホームページ

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