現執行部として最後の記者会見で、大久保満男会長が退任の挨拶-日本歯科医師会

 日本歯科医師会は6月17日、東京・市ヶ谷の歯科医師会館で、大久保執行部としては最後の定例記者会見を行った。退任のあいさつに立った大久保満男会長は次のように述べた。

大久保 平成18年4月1日、日歯史上初の会員予備選挙を経て会長に就任したが、この日より始まった平成18年度改定の改定率は史上最低となるマイナス1.6%となり、1年間の歯科医療費は700億円減少した。
 一方、医科は厳しい改定率の中で少しずつ医療費を伸ばしており、医科は新技術や薬剤が次々と開発され、国民の健康に益するという構図があることが明らかになった。そこで、日歯、日歯連盟、学会、産業界が湘南の葉山に集結して協議。これが歯科界が一丸となって取り組むための最初の一歩となり、その後CAD/CAM等の新技術が生まれる契機となった。日本の公的保険制度下において大きな出来事であったと思う。
 さまざまな努力は直近三年間の歯科医療費の伸びに現れ、現在の歯科医療費は2兆3千億円となっている。歯科医療費が伸びている大きな要因は来院患者数の増加であり、従来は減少傾向だった高齢者の受診が拡大したのではないかと推測される。9年間の様々な場面を振り返れば、多くの後悔はある。ひとつ誇れる点があるとすれば、不完全な私を補ってくれる執行部を信じ、議論を重ねてきたことであろう。人生の中で最も充実した9年間であったと感じている。

カテゴリー: 医療団体   パーマリンク

コメントは受け付けていません。