医療連携と口腔疾患の重症化予防について意見―社会保障審議会・医療保険部会

 9月11日、グランドアーク半蔵門において、第88回社会保障審議会医療保険部会が開催された。日本歯科医師会から出席している常務理事の遠藤秀樹委員は、医療連携および口腔疾患の重症化予防について、以下のように意見を述べた。

▼医療連携について
 入院患者に対する口腔機能の維持管理、いわゆる歯科医療としての「口腔ケア」の重要性が認識されてきている。しかしながら歯科の設置されている病院は少なく、周術期口腔機能管理についてもその多くは病院歯科から算定されている。また、日本病院会からは歯科衛生士の活用について要望が出ており、病院における口腔機能管理を充実させるための医科歯科連携が求められている。歯科のない病院や、歯科があってもマンパワー不足の病院との連携については、個々の歯科診療所の対応も必要ではあるが、地域包括ケアシステム等の地域の中で連携システムとして対応することが有用であると考えられる。
 また、高齢化の中で口腔疾患を持つ患者が入院・入所する機会も増加しているが、かかりつけの歯科医院で治療や維持管理を受けていた患者が入院・転院また施設への入所を繰り返すうちに必要な歯科医療の提供が途切れてしまう。継続した歯科医療が提供されるよう、退院支援のなかで歯科の連携を強化してほしい。

▼口腔疾患の重症化予防について
 歯科における口腔疾患に対する定期的な維持管理は、歯の喪失を減少させ口腔機能を維持する。そして、口腔機能の維持は健康寿命の延伸につながるとされている。歯周疾患においては歯周病安定期治療があるが、制限もある。口腔疾患の維持管理には様々な対応が求められ、柔軟な対応が必要であると考えている。

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