私立歯科大学と国立大学歯学部に大きな官民格差―私立歯科大学協会メディア懇談会

 私立歯科大学協会は12月16日、東京・市ヶ谷の協会本部で「歯科関係メディアとの懇談会」を開催し、井出吉信会長および安井利一副会長兼専務理事が出席して質疑を受けた。井出会長は現在の教育と大学経営に関わる課題について、「私立歯科大学と国立大学歯学部には大きな官民格差がある」とし、「歯学教育には多額の経費がかかるが、私立大学は年間の補助金が減少傾向にあるだけでなく、その補助金を研修医の人件費に充てることはできない。卒業間もない研修医は臨床技術が十分ではないため、私立大学附属病院の経営は研修医を抱えるほど赤字の状態となっているのが現状」と述べた。
 質疑に移り、歯科医師需給問題について安井副会長は、「少子高齢化に伴い歯科医療ニーズは変化しており、例えば一般開業医が在宅診療に対応していくためには、今までのように1歯科医院に1歯科医師という形態では継続的に対応することは難しい。歯科医師数ではなく歯科医療の需要として需給問題を考えるべきである」と述べた。また歯科医師会との関係について井出会長は、「学生に対し歯科医師会への入会を勧めてはいるが、大学との十分な話し合い無しに需給問題について方針を示すのは疑問」とした。

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