日別アーカイブ: 2018年5月25日

奥山眞紀子氏が『親子関係と子ども虐待』テーマに特別講演―日本歯科医師会公開フォーラム

 日本歯科医師会公開フォーラム『多職種による母子保健の推進』が5月20日、歯科医師会館で開催され、医療・介護・福祉関係者、行政関係者など約200名が参加した。冒頭の特別講演は、国立成育医療研究センター特命副院長で「こころの診療部」部長を務める奥山眞紀子氏が登壇し、『親子関係と子ども虐待』をテーマに行われた。  奥山氏は、「子どもへの虐待は、うつ病や薬物依存など長期的な精神障害をもたらすだけでなく、逆境的小児期体験(ACEs)と呼ばれる身体的なリスクがある」とし、具体的なACEsとして、①身体的虐待、②性虐待、③心理的虐待、④身体的ネグレクト、⑤情緒的ネグレクト、⑥母親の暴力的な扱い、⑦家庭に物質乱用者がいる、⑧家庭に精神疾患の人がいる、⑨親の別居や離婚、⑩家庭に収監された人がいる、の10項目のうち6項目該当する人は、そうでない人に比べて寿命が20年近く短いというショッキングなデータを紹介した。  「大切なのは、妊娠期からの支援、子ども家庭支援、自立支援のサイクルによって虐待が世代間で連鎖するのを防ぐこと。ケアのサイクルを構築することが必要」と結論づけた。

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