歯科医師国家試験制度改善検討部会の報告書が公表

 厚生労働省は、4月18日、医道審議会・歯科医師国家試験制度改善検討部会(江藤一洋部会長)がとりまとめた報告書を公表した。
 出題基準については「社会的課題への対応」として、高齢者や全身疾患を持つ者への対応に関する出題、歯科口腔保健法の制定を考慮した予防管理に関する出題、医療保険・介護保険等を含む現行の社会保障制度に関する出題、口腔と全身疾患との関係に関する主題、救急災害時の歯科保健対策・法歯学に関する出題等が、さらなる充実を図るべき項目として挙げられた。
 合格基準については、「臨床実地問題は、一般問題に比べ臨床における問題解決能力をより必要とすることから、引き続き配点に重きを置く」としている。また、合格者の中でも学力格差が広がりつつあるという指摘等もあることから、問題数や総得点に配慮しつつ歯科医師国家試験の領域を構成するグループ別に、合格最低点を設定するべきとの提言がなされている。
 現場の教員や学生の間には、資格試験に相対基準を導入していることへの異論も多い。この点に関しては、「近年の歯科大学・歯学部入学状況の変化等を踏まえ、受験者の質の変動に左右されず、歯科医師として具有すべき知識・技能を有しているものをより適切に評価できるよう改善すべき」と述べられているのもの、具体的な案は記載されていない。
 今後検討すべき課題として、出題基準のあり方、試験問題の評価に加えて、多数回受験者への対応が挙げられ、受験回数制限についての議論も行われたが現状においては受験回数制限は導入しないという結論に至ったことも記載されている。
厚生労働省のホームページ
歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書

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