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在宅療養支援歯科診療所の全国大会、東京医科歯科大学で開催

 全国在宅療養支援歯科診療所連絡会の全国大会が8月28日、東京医科歯科大学歯学部特別講堂で開催された。基調講演では東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢氏が、一億総活躍国民会議の有識者委員としての観点を含め、どのようにしてフレイルを国民運動論に発展させるかについて考えを述べた。  飯島氏は、「フレイルを国民運動に発展させる上で最も大きな壁は、よく噛んで食べ、運動をして、社会とのつながりを保つことが重要とうことなど、国民は分かりきっているという点である。問題はどうやって積極的にフレイル予防に取り組むための心のスイッチを入れるか。そこで新たな指標、メルクマールが必要になる」とし、「メタボが腹ならフレイルは足というように、シンプルでなければ国民運動には発展しない」と考えを示した。  菊谷武氏(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック)は歯科の立場からどのようにフレイルにアプローチするべきかを解説。身体と精神の機能はパラレルに低下するため、診療室でも患者さんの歩行や表情、声などから口腔機能低下の兆候を知るポイントを紹介した。また、28歯以上を有する健康な状態の高齢者の咀嚼機能と、舌圧・舌筋力の関係を指摘し、舌圧から見た概ねの閾値は、30キロパスカル以下になればオーラルフレイルから口腔機能低下へ、20キロパスカル以下になれば口腔機能低下から摂食嚥下障害へ移行したものと考えて大きな差異はないとの考えを示した。

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