月別アーカイブ: 9月 2016

日本歯科医学会主催「歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い」

 日本歯科医学会主催による第32回「歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い」(以下、「集い」)が9月3日、東京・市ヶ谷の歯科医師会館で開催された。  この「集い」は臨学産協同の交流を通して、さまざまな視点から研究の活性化を図ることを目指した意見交換の場として開かれている。主催者あいさつに立った日本歯科医学会の住友雅人会長は、「集いの中から将来保険収載につながるような価値ある研究成果が生まれることを期待する」と述べた。  当日は21題の公募の中から新規性、発展性等の審査を経た8件の演題が発表された。その中で角保徳氏(国立長寿医療研究センター)は、紫外線LEDの歯科治療への応用を提案。近似する波長がすでに皮膚科で臨床に用いられていることに着目し、口腔内殺菌等への応用を検討。開発の今後の方向性として、①紫外線LEDの出力の向上、②種々の波長の紫外線LEDの開発、③各種口腔細菌への効果、④口腔がんへの効果、などを挙げた。

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歯型彫刻コンテスト『ほるほる』、過去最多の129名の参加者で開催

 若手歯科医療従事者を対象に行われる歯型彫刻コンテスト『ほるほる』(首都圏歯科技工士会連合会主催)が8月28日、東京医科歯科大学で開催された。  第17回を迎える今回は学生の部59名、有資格者の部70名、合わせて129名と過去最多の参加者によって行われた。審査の結果、学生の部の最優秀賞は名和竜矢氏(新東京歯科技工士学校)、有資格者の部は阿部拓也氏(バンビラボ)が受賞した。  表彰を終え、講評に立った神林健審査委員長は、「有資格者の部では上位6名が1〜2点の差となり、これほど多くの参加者が僅差で競ったのはコンテスト創設以来おそらく初めてのこと。全般に技術が向上しており、来年はさらに多くの参加を期待したい」と述べた。

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在宅療養支援歯科診療所の全国大会、東京医科歯科大学で開催

 全国在宅療養支援歯科診療所連絡会の全国大会が8月28日、東京医科歯科大学歯学部特別講堂で開催された。基調講演では東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢氏が、一億総活躍国民会議の有識者委員としての観点を含め、どのようにしてフレイルを国民運動論に発展させるかについて考えを述べた。  飯島氏は、「フレイルを国民運動に発展させる上で最も大きな壁は、よく噛んで食べ、運動をして、社会とのつながりを保つことが重要とうことなど、国民は分かりきっているという点である。問題はどうやって積極的にフレイル予防に取り組むための心のスイッチを入れるか。そこで新たな指標、メルクマールが必要になる」とし、「メタボが腹ならフレイルは足というように、シンプルでなければ国民運動には発展しない」と考えを示した。  菊谷武氏(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック)は歯科の立場からどのようにフレイルにアプローチするべきかを解説。身体と精神の機能はパラレルに低下するため、診療室でも患者さんの歩行や表情、声などから口腔機能低下の兆候を知るポイントを紹介した。また、28歯以上を有する健康な状態の高齢者の咀嚼機能と、舌圧・舌筋力の関係を指摘し、舌圧から見た概ねの閾値は、30キロパスカル以下になればオーラルフレイルから口腔機能低下へ、20キロパスカル以下になれば口腔機能低下から摂食嚥下障害へ移行したものと考えて大きな差異はないとの考えを示した。

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